本法人の活動について

特定非営利活動法人 けいはんなオブザーブ の活動について

 

 

   

                                              理事長 輔信 捷三

1.「けいはんな」の地域課題
「けいはんな(=京阪奈)」の愛称で呼ばれる関西文化学術研究都市の建設が京都府・大阪府・奈良県の7市1町にまたがる京阪奈丘陵とその周辺地域で本格的に始まってから四半世紀が過ぎました。この間、開発工事の進行に伴って丘陵地帯では、道路・鉄道・上下水道等の都市インフラの整備が進み、110を超える研究機関等の立地、ニュ-タウンの建設、人口の定着など、新たなサイエンスシティが出現し、着実な成長・発展をみせています。
  しかしその一方で、このサイエンスシティは未解決の問題や発展が遅れている問題も少なからず抱えています。とくに住民生活のソフトインフラに関しては、立地研究機関への地域住民の理解や両者の交流が不十分で距離が狭まっていないこと、新たに生まれたNPO等の市民活動への住民の理解と参加が進んでいないこと、これまで地域で農業などに従事してきた既存住民と新たに移り住んできた新住民との新旧交流もまだ不十分で、行政域を越えた住民交流の促進、市民活動の活発化が求められていること、等々の地域課題に直面しています。
  私たちは、けいはんな学研都市が直面するこうした地域課題の解決に寄与するために本法人を設立し、コミュニティペーパーの発行等の事業による「交流と連携」の促進を通じて、新たな都市コミュニティ形成の一助となるべく活動しています。


2.『けいはんなオブザーブ』の発行
  私たちの活動の発端となったのは、(財)関西学研都市推進機構・学術委員会の平成15年度総会(2003年10月)における故後藤誠一阪大教授のコミュニティペーパー発刊の提案でした。後藤提案は、その後、志を同じくする者たちの市民組織(「けいはんなオブザーブ刊行会」)による『けいはんなオブザーブ』の創刊(2004年11月)という形で現実化され、更に、翌2005年11月からはNPO法人の認証を取得した本法人の中心事業として継承・展開されることになりました。
  このコミュニティペーパーの発行事業は、どのような趣旨・方針の下に展開されたのでしょうか。『けいはんなオブザーブ』第5号(2005年12月)に載っている企画・編集の方針によれば、本紙発行の基本は「都市の健全な発展を促すこと」にあり、「市民の間のコミュニティづくり、市民と立地施設との交流、研究者間のコミュニケーションを活発なものにするための『場』を提供すること」を最も大切な役割と考え、常に「市民の目」を編集の軸に、市民の意見をよりどころとし、「都市の主人公である市民が学研都市に住むことにいささかの誇りを持ちつつ充実した生活を送れるよう微力を尽くすこと」が目標として挙げられています。
  このような方針の下に『けいはんなオブザーブ』は年間に4回発行され、今年9月発行の秋季号をもって28号を数えるに至りました。配布の方法は新聞各紙への折り込み宅配と関係先への直送の二方式を併用し、けいはんな学研都市にゆかりの企業、団体からの広告収入を主な財源としています。部数も今は8万部台を発行し7市1町のけいはんな学研都市全域をカバーする唯一の季刊コミュニティ紙としての役割を果たしてきました。


3.新たな活動の展開を求めて
  今年の11月に本法人は成立7年目を迎えます。この間、取り巻く環境の変化により広告収入の減少や支援態勢の見直し等の厳しい現実に直面しましたが、支援を続けてくださ方々に励まされ、会員総がかりで取り組んだおかげで、ひとまず困難な状況を切り抜けることができました。そこで、この機会にこれまでの取り組みを改めて検討した結果、これからは、①『けいはんなオブザーブ』の発行に関しては紙面内容の一層の充実、発行部数や配布方法の適正化、運営態勢の拡充に努めるとともに、②それを補完する情報提供の手段としてホームページを開設し、更に③「けいはんな文化カフェ」の開催にも取り組むということになりました。
  ホームページを開設することは、「将来は電子化」という合い言葉で法人内部では発足当初から想定されていたものです。情報発信の対象範囲を飛躍的に拡大できるので、けいはんな学研都市圏域だけでなく、全国・全世界に開かれた情報発信を実現できます。また、より新しい情報の提供が可能になり、市民の皆様からご意見を寄せていただき、双方向の対話の回路として活用を図ることも期待できるでしょう。
  もう一つの「けいはんな文化カフェ」の開催は、けいはんな学研都市にゆかりの専門家の講師と参加した市民の相互交流の場を立ち上げようというものです。私たちの生活に潤いをもたらす歴史、文学、芸術、スポーツなどを広く題材とするカフェを通じて、講師を含めた参加者の間に自由で楽しい対話が展開され、新たなつながりが醸成される、そのような相互交流の場として発展していくことを願っています。
  私たちは、創刊から8周年目に入るこれまでの経験を活かして、これからも一層充実した『けいはんなオブザーブ』を安定的に提供し、新たに開設したホームページの有効活用と「けいはんな文化カフェ」の継続開催を通じて、けいはんな学研都市の「明るい住みよいまちづくり」のために微力を尽くす所存です。

 市民の皆様の参加をお待ちしております。

                                                            2011年11月